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2014年1月 1日 (水)

秘密の楽しみ

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  fuji明けましておめでとうございます。fuji

今年もやって参りました。

本編が終了してから、自分自身にも生活の変化があり、ブログは相も変わらず遅々としていますが、ゆっくりのんびりとやって来て、何とかここまで生き残っております。(笑)

昨年はリアルで読んで下さった方々だけではなく、新たに来てここを訪ねて下さる方も多々おり、輝&未沙を好きな方は、時代や時間などに関係なく、ずっと好きでいて下さっているのだなぁと改めて知る1年でもありました。

このブログがどんな時でも、あの頃の2人を思い出す「きっかけ」となってくれれば、こんな嬉しいことはありません。

どうぞこれからも、今まで来て下さった方々は勿論、新しく来て下さった方々も、沢山の足跡を残して言って下さいね!

本年も「メガロードの翼」を、よろしくお願いします。

それでは、お約束の新年のお話をどうぞ~!

ヽ(´▽`)/

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正月になって3が日の間皆が集まると、一条家では初参りの他に、実は「餅つき」もする。

それは、日本人である一条夫婦に正月の挨拶に来ると、子供はお年玉をもらえる為、近所の子供達が沢山やって来るからだ。

「一条艦長、隊長、ハッピー・ニューイヤー!おめでとうございま――す!」

「ああ、おめでとう。いらっしゃい!」

日本の文化を楽しんでもらいたいと考える2人は、スカル7の隊長達が丁度揃う機会でもあって、ある年からこうして訪ねて来る子供達にも、正月のイベントとして昔ながらの臼と杵を使用した「餅つき」をする様になったのである。

「さあさあ、お土産にもお餅、持たせてあげるからね。待ってて!」

その場には、きなこ餅やあんころ餅を分けてもらおうと、近所の付き添い家族や子供達が、ワイワイと騒ぎながらあちこちに座っている。

「ありがと――、いちじょうたいちょ~!」

「沢山食べて、今年もサッカー頑張るんだぞ。」

「ウン!」

「よしよし。」

未来が3歳であるその年も、そろい踏みしていたスカル7の彼らは、奥で未沙がふかす餅米を用意した臼に運んでは、子供達の前でかわりばんこに杵で搗き始めていた。

「――ハァ、やれやれ…ロナルド、次たのむ。」

一条隊長、ヴォリスと続いて、軽く汗を掻いた彼がロナルドに仕上げをしてもらおうと、次に杵を手渡している。

「おっしゃあ!」

賑やかな事が相変わらず大好きな彼は、仕上げは俺様に任せろと言わんばかりに、その杵を掴んでいた。

引き続きロナルドが餅を搗き始めると、臼が震えて動くほど力が入った。

「きゃっ、お手柔らかに!」

「タイミングに気を付けろよ?」

その勢いに笑いながら、餅を搗く合間に水を差してひっくり返すのは、エリナ・D・ブロンコ少尉の役目だった。

「すっげぇ力あるな~、ディゴス隊長!」

「ったりめぇだ。俺様は力がねぇと出来ねぇ商売だかんな?まだまだ出来るから、餅たっくさん食べていけよ!」

「うん!」

「早く、早くついて~!食べたい~~~!」

近所の子供達は、お年玉と精鋭部隊パイロットの彼等に会いたくてやって来るので、餅もあっという間に無くなっていくのだ。

だからこれだではなく、結構な量を搗かなくてはならないのである。

「オラオラオラ~~~!ここで俺様の力が加われば、あっという間に完成するぜ~っ、ギャハハハ~~~!!」

確かに、元々力のある彼が搗いているせいか、餅はあっという間に滑らかに出来上がって行った。

「凄いね~、ろなるど、力持ち~!」

お正月用の赤と白の、愛らしい「被布」を着た未来は、早く次の搗きたてのお餅を食べたくて、ぴょこぴょこと臼の周りで跳ねていた。

その無邪気な笑顔を見ていると、彼にも自然な笑顔が出て来る。

「へへっ!待ってろよォ、未来。今美味~い餅、俺様が作ってやるからな?」

「うん!未来、きなこ餅がいい!いつもみたいに一緒に食べようよ、ろなるど!」

「おう、いいぜ!やるか?」

「ウン!」

未来が素直に「力持ち」などと褒めてくれると何だか嬉しく、ロナルドは調子に乗って格好付ける様に力を込める。

そんな笑顔を見せる彼をふと見ていた傍のマイクが、その2人の楽しげな様子に気付いたのか、ちょっとからかいを込めて笑った。

「…オイオイ。何未来に鼻の下伸ばしてんだよ?俺のお姫さんをたぶらかしたりしたら、承知しねぇぞ?」

その言い草に、ロナルドはカチン、と来る。

「だっ、誰がたぶらかしたよ?唯未来が俺様と一緒に餅食べたいって言ってるだけだろーが?」

「そうかぁ?…でも答えるお前ってば、最近未来に対する反応がな――んか怪しいんだよな~。」

「…はァ?」

ロナルドがマイクの意外な言葉に目を丸くし、やがて頭に来たのか、思わずマイクにヒクッとなりながら顔を0距離に近付け、ギリギリと歯を鳴らす。

「…オイ。もう一遍言ってみろや、ゴラァ…!」

「ああ、言ってやらぁ。お前って、何で未来の前では突然、仔犬みたいに嬉しそうに尻尾振るんだよ?何だか前より酷くなってねぇ?」

「だっ、誰が仔犬みたいだって――。」

ところがそこで、ロナルドは無意識に視線を泳がせたのだ。

それを見たマイクの目が憮然と皿になる。

ロナルドは、おそらく自分でも思い当たっているのだと感じたからだ。

「…おい。何隠してる?」

「み、未来は、俺達の隊長の大事な娘なんだから、俺様も大事にするのは当然じゃねーか。赤ん坊の時から、皆で世話して来たんだからよ。」

「――…。」

「だ、大の大人が、何バカ言ってんだよ。餅の仕上げなんだからそこどいてろ。」

しかもロナルドはそのまま、いつもは決して言わないまともな事を言って誤魔化したのだ。

それが、彼の誤魔化しの手である事は、マイクにはもう長い付き合いなのでわかっているのだが、今までは決してこんな風には笑わなかった奴が、未来の前ではどうしてこんなにも素直に笑うのか、マイクにはどうもよくわからなかったのだ。

「…ふ~ん。じゃ、同じ様に未来を大事にする俺が、一緒に餅を食べたりしてもいいわけだよな?」

そんな彼の見え見えの誤魔化しに対して、マイクは歯をニッと見せながら悪戯心を起こしている。

「あ!?」

「未来を大事にすることに関しては、俺も譲れねぇぜ?」

ロナルドの眉毛が思わずピクリと跳ね上がった。

マイクは直ぐにしゃがんで、目の前の未来に告げている。

「――なぁ、未来。この餅が出来上がったら、丸めるの手伝いに行かねぇか?1番先に搗きたてのきなこ餅、もらえると思うぜ?」

「ホント!?するする~!」

「お、おいっ、マイク!?」

ロナルドが焦ったようにそう声を発していたが、そこに何も知らないエリナが割り込んで彼に声をかけていた。

「…ほらほら、そのくらいにして。これはそろそろいいみたいよ?少佐は力が強いから、早くいい感じになったわね。有難う、取りだすから杵を上げて。」

「…う、おう。」

エリナはそう言うと、臼から出来上った餅を取り出し、それらを大きく1つに丸めている。

そして、食べやすくする為に小さく丸める作業をしている仲間達の元へと、急いで運んでいった。

「ほらほら、次の餅の出来上がりですよ。今皆で丸めるからね~!」

まだ食べ足りない子供達がそれを見て、わあっと賑やかに騒いで集まっている。

「――じゃあ、次、お願いね?少佐。」

それと入れ替わる様に、再び未沙がふかしたもち米を、湯気を立てながら持って来て、臼の中に入れた。

休む暇も無く、次の餅を搗かなければならない。

「おいっ、マイク!次はお前ェが捏ねる番だぜ?お前ェ、そんな事している場合じゃねぇだろ!?俺様と変われや!」

「あ~?俺、未来の相手で超――忙しいからロナルド、俺の分も頼むわ~!」

「て、手前ェッ!そりゃずりーぞォ!?俺様が先に未来と約束したんだぜぇ、オイ!?」

「取ったもん勝ちだ~!じゃな~?」

その言い草に、流石にロナルドもカチンと来る。

マイクはニヤニヤと笑いながら、あっという間に傍の未来を連れて行ってしまったのである。

ロナルドは悔しそうに憮然としながら、マイクの意地悪にギリギリと歯軋りをするしかなかったのだが、エリナが次の作業に戻って来てしまったので、餅つきの続きをするしかない。

マイクが未来と共に、楽しそうに彼女と作業をし始めているのが見えた。

『…くっそ~~~…。』

本当は、自分が未来にああしてやることで、彼女と「ある方法」で楽しみながら、真っ先に餅を食おうと思っていたのだが、こうして強引に取られてしまうと、まるで大事な遊び相手を取られてしまったかのような気分になる。

この「楽しみ」は、未来と自分にしかわからない「楽しみ」なのだ。

だからその楽しみを、横からかっ攫われちゃたまったものではない。

そんな悔しがる彼を尻目に、マイクと未来は作業場で手を洗い、簡易手袋をしてから柔らかい餅を丸くして、きなこ餅やあんころ餅、磯部餅等を沢山作り始めた。

「わ~、やわらかいね~!」

「はは~、これなら食べやすそうだな!」

「うん!」

そんな彼らの様子を見て、ハロルドと一緒に餅を丸める作業をしていたギリアスが、にこやかに笑顔を見せて言った。

「未来ちゃん。少し皆のお餅作ったら、あったかい内に好きなだけ食べていいよ。」

「わぁ、いいの?」

「お手伝いしてくれているんだからいいよ。マイクさんも一緒に食べたら?」

「いいのか?先に?」

「そのつもりだったんでしょ?ずるいよね~。ロナルドさんから役得取っちゃってさ。」

ギリアスが悪戯っぽく笑う。

「わ――い!よかったね!うふふふふ…!」

未来は大喜びでそう答えると、一生懸命餅を丸くしてからきなこにまぶし、大好きなきなこ餅を作った。

3歳の子が作るものだから、大きくなったり小さくなったりいびつな形をしていたが、やがて彼女はある程度の数の餅を作ると、その中のきなこを絡めた餅を、次々と1つの紙皿に乗せていったのである。

だが、餅を乗せていくその量を見て、流石にマイクが慌てて彼女に声をかけていた。

「…オ、オイオイ、未来、ちょっと待て。お前、1人でそんなに沢山食べるのか?」

幼児1人が食べるにしては、あまりにも山盛りだったからだ。

だが未来は、そんな彼に振り向いてにっこりと笑っていた。

「ううん。これは未来だけのじゃないよ~。」

「?」

「だって、ろなるどと一緒に食べるって、約束したもん!」

「…は!?」

そう言うと、彼女はパッとその皿を持ったまま立ち上がって、何とまだ餅を突いているロナルドの傍へ走って行ったではないか。

「?」

ロナルドはそんな喜び勇んで駆け寄って来る彼女を見つけ、ハッとなって顔を上げる。

「――ろなるど~~、とってこ――い!」

その言葉を聞いた途端、ロナルドは思わず目を見開き、ピクッと体が反応して、杵から無意識に両手を離していた。

カ、ラ――ン…

「――えっ?…ち、ちょっと、少佐!?」

もち米に水を差していたエリナが、思わずそんな彼を見上げて凝視する。

「え――い!」

次の瞬間、何と未来が大胆にも、ポーンときなこ餅を、彼に向って空中に投げたではないか。

「…うっがあああぁぁぁぁ―――っ!!」

途端に、その場で獣の唸る様な声が響き、そのきなこ餅を、ロナルドは瞳を爛々とさせてバッとその場でジャンプをし、何と口で見事に咥えていたのである。

その姿はさながら、円盤型の遊び道具「フリスビー」を、ジャンプしてキャッチする「犬」の様であった。

「やった~!ろなるど、じょうず、じょうず~!キャハハハ!」

そして彼は、見事に四つん這い状態でザッと地面に着地したかと思うと、口をモグモグと動かして、きなこ餅をゴックン、と飲み込んでいた。

「う…うんめぇ~~~♪」

そのあり得ないハイテンションな彼の様子に、その場にいた者達は一瞬にして凍り付き、唯言葉を無くして唖然としてしまう。

その場の未来だけが、もの凄く喜んでケタケタと笑っていた。

「ペロペロ…おっしゃあ、もっとくれ~!」

「キャハハ~~、次いくよ!とってこ―――い~~~!!」

「わうっ!」

その後は、未来がきなこ餅を投げてはロナルドが飛び付いて、結局2人はそんな形で、まるでご主人様とペットの犬の様に転げ回って、楽しそうにきなこ餅を食べ合うのであった。

「――…。」

そんな事の成り行きを見つめて、ロナルドの「挙動不審」の理由を知ったマイクの目が、点になったまま空笑いをしてしまう。

犬に育てられた記憶を、今だ体に残している彼は、実は時々本能が命じてこういう遊びもしたくなるのであるが、未来ならどんな事をしても素直に笑って喜んでくれるわけで、ロナルドが心おきなく遊ぶには丁度良い相手でもあったのだ。

だが流石に、大人のマイクの前では格好が悪くて、あんな風に誤魔化すしかなかったのであろう。

最早条件反射が染みついて、自分が何をしているのかさえわかっていない位、今の彼は楽しいらしかった。

『すっかり、飼いならされてるじゃねーか…。』

臼の傍では、次に餅をつく順番だった王大尉とエリナが、唖然としながらもやがて見て見ぬふりをして、無言で次の餅を突き始めるのか見えるのだった。

おわり。

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コメント

 明けましておめでとうござますhappy01
 本年もよろしくお願い申し上げます。 
 
 わき合い合いとした餅つきいいですね。
 まさにファミリー一条家です。
 また、ぶろぐ内を舞い降りる、星もステキです。

 貴ブログがあの頃の2人を思い出す機会を設けていただいたことに感謝すると同時に、これからも素晴らしいお話しを紡いでくださるようお願い申し上げます。

投稿: くまお | 2014年1月 2日 (木) 14時06分

sunくまおさま。
明けましておめでとうございます。
丁寧な新年の挨拶を、有難うございました。

バックはまだクリスマス仕様なので、そろそろ変えなくちゃならないんですが、何せじっくりと座っている事が出来ないので、まだまだ後になりそうです。(笑)

相変わらず遅々としておりますが、今年もどうぞよろしくお願い致します。
m(_ _)mshine

投稿: 理沙 | 2014年1月 2日 (木) 18時50分

お久しぶりです。明けましておめでとうございます

 久しぶりのロナルドの登場に画面の前でニッコリとしてしまいました。彼らの餅つき風景がまるで目の前のことのように浮かんできます。
 昨年は色々と現実であり思うように連載させることができませんでしたが、近日中に再開させるつもりです。それともう一つご報告ですが実は病気の関係で辞職し、田舎へ戻りました。
 詳しくは再開記事にてご報告させていただきます。
 長くなりました今年もよろしくお願いしますとともにご家族様のご多幸と御健康をお祈りします。
 

投稿: yamato | 2014年1月 2日 (木) 20時33分

sunyamatoさま。
明けましておめでとうございます。
ご丁寧な新年の挨拶、有難うございました。
また来て下さるなんて嬉しいです!
(*´人`*)

そちらのブログにて1年前、お仕事が決まったと知り、仕事が仕事なので、もうブログなどの更新は無理だなぁと正直思っておりました。
(守秘義務などもあるだろうし。)
しかし、お体を壊してしまったとか。
どういう現場なのか、大体は理解出来ているつもりですが、健康面、あまり酷くなければいいなぁと思っております。
どうぞ今は、自身を大事にしてくださいね。
命あっての人生ですから。

でも、今まで貴男が経験した事は、きっと貴男の1番の「資料」ともなるでしょう。
そういう経験が出来ただけでも、貴男の人生にとって素晴らしい事だったと思います。
落ち付かれた後、そんな経験が織り込まれた作品が、いずれ読める事を、こちらも楽しみにしておりますね!
( ^ω^ )heart04

投稿: 理沙 | 2014年1月 3日 (金) 22時30分

明けきっちゃた~
今年も、うろちょろしまぁ~す

新年早々 お年玉の代わりに
風邪をもら茶った (´・ω・`) とりあえず 餅食ぁ~べよっと! 砂糖醤油
で ウヒヒヒィ

投稿: 敦賀屋 バボ | 2014年1月 5日 (日) 06時04分

sun敦賀屋バボさま。
私なども掃除が終わり、お節料理制作取り掛かりって時に、喉の咽頭をやられ、発熱してしまいました。
何か年末ついてませんでしたが、年の明ける前には何とか、熱も下がったんです。しかし豚の角煮が今回、何か酷く崩れて悲惨な形に…。ぼーっとしてたのか、何かしら影響があったようです。(笑)
(´・ω・`)ショボーン

投稿: 理沙 | 2014年1月 6日 (月) 23時45分

豚の角煮!
つきたてお餅と相性が良いですぅ~♪ 一条家では、表面焼き?そのままジワジワ煮込み? どっちだろう?
バボは、八角を効かせて生姜をチコっと入れちゃいます(笑) ふと 未沙が独身時代の
輝達バーミリオン軍団が娘久飯店に 入り浸って頃を思い出して 作ってそうな気がするですね♪
未沙は、私の方が『愛情満点』それに輝の笑顔が見れる(ルン♪)で、一人百面相かな?

投稿: 敦賀屋 バボ | 2014年1月24日 (金) 00時05分

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